分析・測定事例2『繊維製品の紫外線防護係数(UPF)測定』

2020年9月29日

 私たちが生活している地表面には、日焼けやシミ、そして皮膚がんなどの原因と言われている太陽光由来の紫外線が降り注いでおり、紫外線対策として化粧品などのパーソナルケア製品や日傘、衣類などの繊維製品などを用いています。繊維製品の紫外線を遮蔽する度合いを表す指標として紫外防護係数(UPF)があり、UPFを算出する方法として「繊維製品の紫外線遮蔽評価方法(JIS L1925)」や「Sun protective clothing - Evaluation and classification(オーストリア・ニュージーランド規格、AS/NZS 4399)」などがあります。

 今回は、タマネギ皮の水抽出成分で染めたリネン(亜麻布)と市販品(表示:UPF50+)を例にして、それらのUPFを、JIS L1925の方法で算出した事例を紹介します。

 

タマネギ皮の水抽出溶液で染めたリネン(亜麻布)のUPF評価(染める前後の比較)

 JIS L1925では、波長290~400nm(紫外線領域)が測定できる分光光度計を用いることになっています(今回は、紫外可視近赤外分光光度計を用いました)。

 

1 染める前のリネンのUPF評価

 1-1 染める前のリネンから、評価試験用のリネンを4枚(5cm角)採取します。

染める前のリネンと評価試験用リネン4枚5cm角

 

 1-2 積分球に評価試験用リネンをセットします。

   評価試験用リネンを積分球にセット

 

 1-3 UPF測定プログラムで波長290~400nmの透過率を測定します。

UPD測定プログラム画面

1つの染める前のリネンを測定 UPF表

1枚目の染める前のリネンのUPF値は3.8と算出されています。

 

 1-4 残りの評価試験用リネン3枚も、同様に透過率を測定します。

4つのリネンを測定した結果 

4つの染める前のリネンを測定した画面 UPF拡大

4つの染める前のリネンのUPF値は、3.8、3.7、3.8、4.4と算出され、その平均値は3.9でした。そして、これらの結果を、JIS L1925に沿って計算すると、UPF換算値は3.7、UPF等級(格付け値)は’UPF適用外’となりました。

 

2 タマネギ皮の水抽出溶液で染めたリネン(染めリネン)のUPF評価

 2-1  染めたリネンから、評価試験用の染めリネンを4枚(5cm角)採取します。

染めたリネンから4つの試料を採取

 

 2-2 前記’1 染める前のリネンのUPF評価’と同様に、評価試験用の染めリネン4つの透過率を測定します。

染めリネンのUPF測定画面

タマネギ皮の水抽出液で染めたリネンから採取した4枚の染めリネンのUPF値は、23.0、24.7、26.4、22.1と算出され、その平均値は24.1でした。そして、これらの結果を、JIS L1925に沿って計算すると、UPF換算値は22.1、UPF等級(格付け値)は20となりました。

リネンをタマネギ皮の抽出液で染めることにより、紫外線を遮蔽する能力が高まり、染める前の’UPF適用外’からUPF格付け値 20となることが分かりました。

 

 

〇市販品(表示:UPF50+(UPF評価方法の記載なし))のUPF評価

 市販品は、大まかには伸縮性のある細かいメッシュ生地と荒いメッシュ生地で構成され、細かいメッシュ生地が市販品の面積の大部分を占めていたことから、細かいメッシュ生地から評価試験用の試料4枚(3cm角*)を採取し、UPF評価しました。

*市販品の細かいメッシュ生地の面積の都合上、採取サイズを3cm角としました。

市販品の拡大画像

 

 I 前記’1 染める前のリネンのUPF評価’と同様に、市販品の細かいメッシュ生地から採取した布4枚の透過率を測定します。ただし、生地は伸ばさない状態で行います。

市販品のUPF測定画面

市販品のUPF測定画面 UPF表

 

市販品から採取した4枚の布のUPF値は、35.2、32.4、38.0、40.2と算出され、その平均値は36.5でした。そして、これらの結果を、JIS L1925に沿って計算すると、UPF換算値は32.4、UPF等級(格付け値)は30となりました。

 

 

 

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